ネイルの力で日常に彩を

fukushinail

 福祉ネイルとは

福祉ネイルとは、主に高齢者・病気や障害を抱えている方に対して行うネイルサービス(彩爪介入)で、一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会に属する福祉とネイルを学んだ福祉ネイリストたちが実施いたします。

施設や自宅など、お客様のいらっしゃる場所を訪問し、ネイルを施したりハンドマッサージを行ったりするのが仕事。
お客様は、高齢者や障害者はもちろん、自宅療養中の方、移動が困難な方など、ネイルサロンに行くのが難しい方が対象となります。

福祉ネイル

 福祉ネイルがもたらす効果

ネイルを施すことによって、心や行動・人とのかかわりが前向きになる、ストレスホルモンが減少するといった効果が挙げられており、それに伴って運動能力にも改善がみられるといった報告がなされています。福祉ネイリストは施設で単調に暮らしがちな高齢者の指先を美し、日常生活に彩とメリハリを与えQOL(Quality Of Life=生活の質)を上げるお手伝いをさせていただきます。

実際に施術させていただくと、はじめは「恥ずかしいわ」「こんなしわしわな手じゃ」という消極的な発言が多かったのですが、実際にネイルを施すと明るい笑顔を見せて下さり、「こんなにキレイにしてもらったんじゃ、服も着替えねなくちゃね」「誰とデートしようかしら」という前向きな発言が次々と出てきました。

ネイルには利用者さんの気持ちを動かす良い効果があるのです。

福祉ネイル

 福祉ネイルの施術

高齢者施設でネイルに関する施術を行う場合、「ネイルケア」や「ハンドマッサージ」といった基本の触れるケアが中心となります。

高齢者には、認知症ケア技術「ユマニチュード」「回想法」を交えながら、爪のケアやハンドマッサージ、ネイルを施していきます。施術中は利用者様の表情に気を配りつつ、笑顔で声かけをし、笑顔・元気・癒しをお届けします。

  • ユマニチュード・回想法

ユマニチュード

認知症の人や高齢者に限らず、ケアを必要とするすべての人に向けた、知覚・感覚・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法です。「見る」「話す」「触れる」「立つ」という人間の持つ特性に働きかけ「あなたは大切な存在です」「あなたのことを大切に思っています」と伝えながらケアをする技術です。これによって認知症の人とそのケアを行う人との間に絆をつくり認知症の攻撃的な態度や言葉の症状が収まり、両者が穏やかな介護生活を過ごせるようになるメリットがあります。

福祉ネイルでもこの技法が用いられ、

見る:見つめ合ってネイルをする  話す:前向きな会話をする  
触れる:指先や腕に触れる     立つ:ブースまで歩いて来てもらう

福祉ネイルを通じてユマニチュードを実践していることになるのです。

回想法

回想法とは、昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う一種の心理療法です。     認知症の方は、最近の記憶はすぐに忘れてしまっても、昔の事を覚えています。昔のことを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し、活動性・自発性・集中力の向上や自発語の増加が促され、認知症の進行を遅らせたり、昔の思い出に浸り、お互いに語り合う時間を持つことで精神的な安定がもたらされます。
福祉ネイルではこの回想法を、ネイルアートやネイルシールを使用して行っています。